【概要】
東京医科大学(学長:林 由起子/東京都新宿区)精神医学分野 井上猛主任教授、森下千尋助教を中心とする研究チームは、東京医科大学病院(以下、当院)入院患者を対象とした症例対照研究を実施し、向精神薬使用と転倒?転落発生の関連を明らかにしました。
研究チームは、入院患者において睡眠薬使用は転倒?転落の危険因子であることを示し、睡眠薬の処方を可能な限り控えることが転倒?転落発生率の低減につながる可能性があることを示唆しました。これらの研究成果は、2021年12月8日、日本精神神経学会の機関誌Psychiatry and Clinical Neurosciences(Impact Factor 5.188)に掲載されました。
【本研究のポイント】
●向精神薬使用は、その作用機序から転倒?転落のリスクを増す可能性があると考えられますが、これまでに向精神薬使用と転倒?転落発生の関連について明確な評価はなされてきませんでした。
●本研究においては、診療記録から収集された信頼性の高いデータを用い、入院患者を対象とした症例対照研究を実施し、向精神薬使用と転倒?転落発生との関連性を評価しました。
●抗精神病薬?抗うつ薬?抗不安薬使用と転倒?転落発生との関連性は統計学的に有意ではありませんでしたが、睡眠薬使用と転倒?転落発生との関連性は統計学的に有意であり、睡眠薬使用は転倒?転落の危険因子であることが示唆されました。
■プレスリリースはこちら>>
■精神医学分野HPはこちら>>