「東京医大の研究」特設サイト
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「患者に優しい医療(低侵襲医療)」の実現に向けた研究活動

「患者に優しい医療(低侵襲医療)」
実現に向けた研究活動

07 ロボット手術開発 Research

Research

産科婦人科学分野 子宮体がんに対するロボット支援下手術の開発?発展

当分野では、子宮体がん手術の低侵襲化を検討する研究を行っております。具体的には、再発低リスク群の子宮体がんに対する手術療法の検討として、開腹群、腹腔鏡群、ロボット支援下手術群で手術成績と、腫瘍学的転帰を比較検討しました。従来の開腹群に対して、腹腔鏡群のみならず、ロボット支援下手術群も含めた低侵襲手術を行った症例でも再発率や生存率を損なわず、再発低リスク群の子宮体がんにおいてロボット支援下手術も含めた低侵襲手術は有益な手術法であることを報告しました。また再発形式でも開腹群と低侵襲群で大きな差も認めませんでした。また、再発中高リスク群の子宮体がんに対する手術療法の検討として、開腹群、ロボット支援下手術群で手術成績と再発率や予後の比較検討を行い、再発中高リスク群の子宮体がんにおいてもロボット支援下手術による低侵襲手術は有益な手術法であることを報告しました。

【分野HP】
東京医科大学 産科婦人科学分野
【研究実績に関する主な論文】
2024年4-6月 2023年10月17日

泌尿器科学分野 泌尿器科がんに対するロボット支援手術

当分野では2006年に前立腺癌に対するロボット支援下根治的前立腺摘除術を全国に先駆け開始しました。以後着実に手術実績を蓄積し3000件を超える手術実績を有しています。前立腺癌の手術後の経過は他の癌と比較して長く、長期の手術成績に関する報告はまだ十分とは言えません。当院では2020年に初めて長期予後に関する報告を行っています。今後はこれまでの膨大な症例をもとに、スマートフォンやPCを用い、より簡便に前立腺癌の予後予測が可能となるようなアプリケーションの開発にも取り組んでいます(https://komori.shinyapps.io/nomogram/)。また豊富なデータから再発リスクの高い組織型に限定した再発予測層別化モデルも作成しています。膀胱がん、腎盂尿管がん、腎臓がんに対するロボット支援下手術も行っています。

【分野HP】
東京医科大学 泌尿器科学分野
【研究実績に関する主な論文】
2024年3月13日【UP】  
2022年3月23日

消化器?小児外科学分野 【NEW】ロボット支援先天性胆道拡張症に対する手術方法の
最適化と標準化に向けた臨床的検討

先天性胆道拡張症は膵?胆管合流異常により胆管が拡張する疾患で、胆道癌リスクが高いため外科的治療が推奨されます。小児期?成人期ともに手術が適応され、年齢や解剖に応じた手術が必要です。従来の開腹術は回復に時間がかかり、腹腔鏡手術は鉗子の可動域や視野に制約があり、肝内胆管狭窄に対する胆管形成に課題があります。胆管狭窄が残ると術後の肝内胆管結石形成リスクが増加するため、適切な胆道再建が重要です。本研究ではロボット支援手術の精密操作と拡大視野を活用し、術前3D画像診断に基づく確実な胆管形成術を確立させ、短期?長期の治療成績を評価し、精度の高いロボット支援手術の構築を目指していきます。

【分野HP】
東京医科大学 消化器?小児外科学分野
【研究実績に関する主な論文】
2023年11月 2019年9月

消化器?小児外科学分野 局所進行膵癌に対する根治性と機能温存を両立したロボット支援手術の開発

局所進行膵癌に対する外科的治療成績の向上には、術前?術後の化学療法や放射線治療を含む集学的治療が不可欠です。一方で、膵癌はしばしば上腸間膜動脈や門脈、神経叢に浸潤しやすく、外科的切除の侵襲性が高まることで、術後治療の導入にも大きな影響を及ぼします。したがって、浸潤範囲を正確に評価し、根治性を確保しつつ機能温存を図る精緻な手術技術の確立が求められます。そこで我々は、微細な解剖構造に基づくロボット支援手術の特性を活かした、低侵襲かつ高精度な手術技術の開発を進めています。特に、微細な神経線維組織の構造に基づく神経叢温存手術(NFT-based resecton)、乳糜漏予防を目的としたリンパ管処理の解剖学的アプローチ、さらには門脈浸潤症例における詳細な再建パターンの分類と評価を行い、新たなロボット支援下での門脈再建法の確立を目指しています。本研究では、局所進行膵癌に対して、根治性と機能温存を両立させたロボット手術を確立し、外科的治療成績の更なる改善を目指しています。

【分野HP】
東京医科大学 消化器?小児外科学分野
【研究実績に関する主な論文】
2023年5月 2022年1月【UP】